2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560512
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
別府 万寿博 防衛大学校, システム工学群, 准教授 (90532797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 佳巨 九州大学, 工学部, 教授 (40304737)
浅井 光輝 九州大学, 工学部, 准教授 (90411230)
玉井 宏樹 九州大学, 工学部, 助教 (20509632)
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Keywords | 粒子法 / 土石流 / 混相流 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究課題は,近年発展してきたMPS粒子法を用いて,土石流を受ける砂防構造物に対する耐衝撃性照査法の確立を目指すものである.その内容は,(1)粒子法による固液混相流プログラムの開発および同手法による土石流荷重の評価,(2)粒子法による鋼およびコンクリート構造物の変形・破壊解析手法の確立,(3)土石流と砂防構造の衝撃連成解析手法の開発,に大別される.平成22年度は,大きく以下の検討を行った.まず,平成21年度に開発した固液混相流プログラムを改良し,実際の石礫型土石流を表現できるように,複数の粒径からなる土石流モデルの構築とその流動解析を行った.改良した手法の妥当性を確認するため,土石流モデルの礫径分布を変化させた実験を行った.提案した手法を用いて実験結果のシミュレーション解析を行った結果,大小2種類の礫粒子で構成した土石流モデルを用いて,実験で確認された段波を再現することができた.次に,粒子法を用いてはり部材と流体を連成解析する手法を開発した.この際,はり部材は,土石流荷重からの圧力に応じて陽的に時々刻々変形する弱連成とした.また,開発した解析手法の妥当性を検討するために清水による流体力を受ける鋼薄板の変形実験も行った.実験のシミュレーション解析を行った結果,鋼薄板を弾性はりでモデル化した連成解析手法によって,実験の変位やひずみをある程度再現できることを確認した.これらの研究成果は,複雑な礫径分布を有する実際の石礫型土石流の再現および土石流を受ける砂防えん堤の変形を再現するために不可欠な基礎的なツールとなる.一方,粒子法解析における圧力の不自然な高周波振動,および粒子法による固体の塑性および破壊シミュレーション解析については,今後も継続して検討を行い,数値解析上の高精度化と非弾性挙動の再現力を向上させる.
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