2011 Fiscal Year Annual Research Report
波浪による斜面内ノッチの形成・進行モデルとそれに基づく斜面崩壊予測法の開発
Project/Area Number |
21560515
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 志麻 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90258707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00091504)
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Keywords | 波 / 侵食 / 斜面崩壊 / 模型実験 |
Research Abstract |
全海岸域の80%を占めると言われている海岸崖の侵食およびそれに起因する被害が、世界的にも数多く報告されている。我が国においても、北海道東部の未固結な火山灰質土から構成される海岸斜面(Soft cliff)において、侵食・風化に起因したと考えられる崩壊・滑落が起こっている。本研究では短期安定問題における海岸域の比較的軟弱な斜面(Soft cliff)の侵食現象とそれに起因する崩壊に着目し、精確な予知・予測法の確立とその適切な防災対策法を構築するため、侵食進行のメカニズムおよび崩壊予測法を地盤工学の視点から解明・提案するものである。最終年度は、波浪侵食を受けている胆振海岸(鵡川流域)より現地盤の試料をサンプリングし、その力学特性を把握している。また、侵食被害によって斜面ならびに国道・鉄道が被害を受けた事例を調査している。得られた結論は、次の通りである。 (1)鵡川河口周辺の海岸地盤よりサンプリングした不撹乱粘性土試料の力学特性は、過去に行われた北海道東部の海岸斜面(標津土)と同様、強い構造異方性を示すことが明らかにされた。 (2)土壌硬度計を用いた原位置試験結果にもとづけば,鵡川河口周辺の海岸地盤は波浪による侵食を受けやすい環境にあることがわかった。 (3)北海道内3箇所において、標津海岸と同様に、波浪侵食による地盤工学的被害があることが報告された。 (4)一連の研究において、提案された破壊基準式ならびに侵食距離を考慮した本解析手法は、より簡便に合理的に斜面の安定性を評価できることが明らかにされた。
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