2010 Fiscal Year Annual Research Report
補強土工法を援用し新設または改修した橋台構造物の地震時挙動とその設計に関する研究
Project/Area Number |
21560522
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣岡 明彦 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70238400)
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Keywords | 地盤と構造物 / 橋台 / 補強土工法 / 耐震設計 / 模型実験 |
Research Abstract |
本研究では、テールアルメ工法を適用した橋台で、竪壁剛性を低下させてもストリップの長さを変える事で橋台の耐震性が十分確認出来ると、施工性・経済性の向上にもつながると考え、鋼製帯状補強材で補強した橋台の竪壁剛性及び補強材長さがその地震時挙動に与える影響を把握することで、耐震設計に有用な知見を得る事を目的とし模型実験を行い、その結果以下の事が明らかになった。 (1)ストリップを敷設する事で裏込め土表層で加速度時刻歴の位相差が小さくなり、更にストリップを伸ばすことで、本体壁からの距離が遠い位置での位相差の低減が顕著に見てとれた。これよりストリップを敷設することで裏込め土が一体化され、さらに補強材長さを伸ばすことでより広範囲で裏込め土を一体化させることが出来たと考えられる。 (2)ストリップの効果により橋台本体壁の応答倍率を小さくすることが出来たが、一方で補強材の長さを伸ばすことでの本体壁頂部の応答加速度の減少率は剛性によって異なった。これより、補強材の長さを伸ばすことによる応答加速度倍率の抑制効果は剛性の高いケースでより発現しやすいと分かった。 (3)補強材長さを伸ばすことで本体壁変位を抑制する補強効果は確認出来るが、補強材の長さによる補強効果に違いがあり、補強材長さを伸ばすことによる本体壁変位を抑制する補強効果は剛性の高いケースにおいてより発現しやすいと言える。 (4)剛性に関わらず、補強により鉛直荷重を前面・背面に配分する効果はみられるものの、剛性の低い場合においては短い補強材ですでに鉛直荷重を均等に配分していたため、補強材長さを伸ばすことによる補強効果の増加は、剛性が低いケースにおいては発現しにくいと考えられる。
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