Research Abstract |
昨年に引き続き,振動場における粗粒材料の挙動を体積変化や強度低下などのマスとしての力学挙動ではなく,土粒子間の接触状況の変化から捉えることを目的に,振動場における粗粒材料の粒子間の接触状況の変化とそれに及ぼす振動条件(振動数,振幅等),粒子条件(粒径,粒子形状,詰まり具合等)の影響について室内実験により検討を行った。昨年度は,主に粒子の接触状況に及ぼす粒径と加速度との関係について考察を行ったが,本年度は,加速度一定の条件下で振幅と振動数の組み合わせを変えた場合の粒子の接触状況の変化について考察を行った。その結果,加速度が一定であれば振動数を変化させるより振幅を変化させる方が,粒子のかみ合わせが外れ,粒子の相互移動が起こり易いということがわかった。また粒径と振幅の関係によって粒子のかみ合わせが外れやすくなる加速度が異なることがわかった。実験では,供試体はできるだけ緩詰めになるように初期状態を揃えたが,相対密度に差があったため,初期相対密度が接触状況の変化に与える影響についても考察を行った。その結果,初期相対密度は,高い場合には予想通り粒子間のかみ合わせは外れにくくなることが確認されたが,相対密度が低い場合にも予想外に粒子間の抵抗値が増加せず,かみ合わせが外れ難いことが明らかになった。この結果,最もかみ合わせが外れやすい相対密度が存在することを確認した。これらの結果は,定量的な評価を加えて論文にまとめ投稿した。 上記の実験と平行して,振動杭打ちを想定した模型実験を行い,振動条件(振幅,振動数)と粒径との関係についても検討を行った。その結果,供試体の粒径に応じて杭を最も効率的に貫入することのできる振動条件が存在することを明らかに,実施工における今回の研究成果の利用法について考察した。この結果を論文にまとめ,関連する国際会議と国内学会のワークショップで発表した。
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