2009 Fiscal Year Annual Research Report
廃石膏ボードの地盤改良材への適用と環境影響評価に関する研究
Project/Area Number |
21560527
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 研一 Fukuoka University, 工学部, 教授 (20235336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押方 利郎 福岡大学, 研究推進部, 教授 (60465713)
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Keywords | 再生半水石膏 / 土質改良 / 高含水比泥土 / 改良強度特性 / フッ素 / 溶出特性 / 硫化水素 |
Research Abstract |
1)半水石膏による地盤改良固化メカニズムの把握 廃石膏ボードから作られる半水石膏は,その焼成方法の違いによりその性質が異なることが考えられる.また,改良する地盤材料の性質の影響を受けることが想定される.そこで,焼成方法の異なる2種類の半水石膏(中性固化材)を用い,組成や粒度分布などの特性の異なる土質材料を用いて,半水石膏の改良メカニズムについて検討を行った。その結果、次のことが明らかになった。(1)土質材料に再生半水石膏を混合し、締固めることによって、混合材料の強度を増加させることがでる。また、この改良効果は、材料混合直後に発揮され、養生に伴って変化しないことも明らかとなった。(2)補助固化材の添加によって、混合材料の強度増加が期待でき、さらに、有効利用時に必要な強度を設定することが可能であることが示された。(3)再生半水石膏のみ添加した材料では、水浸1日後に再泥化してしまうが、補助固化材を添加することで再泥化抑制が可能である。(4)脱水ケーキに再生半水石膏及び補助固化材を添加した材料は、刃金土及び遮水シートの要求性能を満たすことができ、難透水性を示す。 2)高含水比地盤への改良効果の検討 建設現場から発生する汚泥や泥土,ため池底泥や浚渫土砂の改良など比較的初期含水比が高く取扱いや廃棄に費用の要する土質材料を固化し,再利用や運搬を容易にするために半水石膏(中性固化材)を用いる場合の検討を行った。その結果、高含水比の泥土の改良に効果的であり、特に高有機質土にも有効であることが示された。 3)土壌環境への影響評価に関する検討 再生半水石膏により改良した土質材料からのフッ素の溶出特性及び硫化水素の発生特性を調べた。その結果、(1)土質材料の違いによってフッ素溶出特性は異なり、細粒分含有率とフッ素の吸着量は高い相関性が見られた。(2)補助固化材及を添加することで、フッ素の溶出抑制が可能である。(3)脱水ケーキ及びしらすに再生半水石膏を添加した材料では、硫化水素の発生は見られないことが示された。
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