2010 Fiscal Year Annual Research Report
廃石膏ボードの地盤改良材への適用と環境影響評価に関する研究
Project/Area Number |
21560527
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 研一 福岡大学, 工学部, 教授 (20235336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押方 利郎 福岡大学, 研究推進部, 教授 (60465713)
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Keywords | 再生半水石膏 / 土質改良 / 高含水比泥土 / 改良強度特性 / フッ素 / 溶出特性 / 硫化水素 |
Research Abstract |
石膏ボードは高度経済成長期以降、建築物の内装材として広く利用されており、建築物の解体に伴い、廃石膏ボードの発生が急増している。また、廃石膏ボードは紙と石膏に分離し管理型最終処分場へと処分することが義務付けられている。しかし、処分場の容量不足や民間業者の受入拒否などの問題から、石膏の有効利用が急務とされている。そこで本研究では廃石膏ボードから得られる二水石膏を焼成して得られる再生半水石膏に着目して地盤改良材としての有効利用を考えている。再生半水石膏は、中性固化材であり、水を加えると固化する性質があることから、この特徴を利用し、様々な地盤への適用の検討を進めている。本年度は、特に軟弱地盤の浅層混合処理の固化材料の開発を目的とし、含水比の高い軟弱な海成粘土を対象に(1)力学・溶出特性の実験的検討、(2)石炭灰の有効利用の検討、(3)硫化水素発生特性の検討を行い、次のような結論を得た。 (1)博多粘土に再生半水石膏を添加したのみでは、汚泥と判断される50kN/m^2以下の強度を示す。また、再生半水石膏の凝結硬化作用は対象土の含水比に大きく依存することも明らかとなった。(2)浅層混合処理工法の要求強度300kN/m^2以上を満足する補助固化材添加量は、再生半水石膏の凝結硬化作用により減少させることができる。さらに、実施工を想定した際にもコスト削減に繋がることが示された。(3)石炭灰の吸水効果により、石炭灰の添加量が増加するにつれて、一軸圧縮強さが増加することが明らかとなった。(4)再生半水石膏を用いた地盤改良材の環境安全性の検討を行った結果、軟弱地盤を想定した際のフッ素溶出濃度は、再生半水石膏添加量と含水比が大きく影響することが判明した。(5)土質固有の性状や硫化水素固定能力が硫化水素ガスの発生や抑制に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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