2011 Fiscal Year Annual Research Report
廃石膏ボードの地盤改良材への適用と環境影響評価に関する研究
Project/Area Number |
21560527
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 研一 福岡大学, 工学部, 教授 (20235336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押方 利郎 福岡大学, 研究推進部, 教授 (60465713)
|
Keywords | 再生半水石膏 / 土質改良 / 高含水比泥土 / 改良強度特性 / フッ素 / 溶出特性 / 硫化水素 |
Research Abstract |
発生現場及び破砕方法の異なる再生半水石膏が力学特性に及ぼす影響を調べた結果、発生現場の異なる新築系と解体系石膏では、最大圧縮応力に差が生じることが明らかとなった。また、破砕方法の異なる再生半水石膏では、焼成直後とミル直後の条件は、同程度の強度発現を示した。 軟弱な粘土に対し、再生半水石膏のみを用いた改良では、土構造物における要求強度が得られないことから、補助固化材として高炉セメントB種及び生石灰を用いて検討した。その結果、補助固化材を用いた改良土の補助固化材添加量と一軸圧縮強さの相関性は良く、目標強度である養生7日において300kN/m2を満足する補助固化材の最低添加量を近似式を用いて推測することができることが明らかとなった。また、再生半水石膏添加量が増加するに伴って要求強度を満足する補助固化材最低添加量が減少することが明らかとなった。地盤改良材として再生半水石膏を実地盤に適用した際のふっ素溶出挙動を把握するために、乾湿繰返し試験で得られた浸漬水を用いて検討した。その結果、供試体表面から微量のふっ素が溶出し続けることが明らかとなった。しかし、溶出濃度は0.2mg/l程度と低濃度であり、土壌環境基準値を満足することが示された。また、乾湿繰返し試験により供試体のpHを低下させ、比較的ガスが発生しやすい条件下で硫化水素ガス発生試験を行った。その結果、セメントを添加し、改良土を弱アルカリ性に設定することで硫酸塩還元菌の動きが鈍くなり、硫化水素ガスの発生量が少なくなることが明らかとなった。再生半水石膏を地盤改良材料として用いる場合の利用マニュアルを提案した。このマニュアルに従って室内及び現場において地盤改良固化特性と環境安全性を管理することが出来れば、利用目的に応じて再生半水石膏を有効かつ安全に利用することが出来る。
|