2011 Fiscal Year Annual Research Report
カキ殻・廃石膏・浄水汚泥を原料とした石灰系固化材の土質改良材としての適用性
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21560528
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
重松 宏明 石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (90353268)
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Keywords | 廃カキ殻 / 廃石膏 / 浄水汚泥 / 固化材 |
Research Abstract |
土木工事において排出された建設発生土を適正に処理するためには,土質安定材(固化材)が必要不可欠である.しかしながら,その価格は年々増加傾向にあり,建設事業の経営を圧迫してきている.また近年においては,廃棄物処理法の改正(1992)に伴い,廃棄物の減量化・リサイクルの推進が強く求められている.そこで申請者は,既存の工業用消石灰に,一連の工程を経て処理された廃石膏と浄水汚泥(乾燥状態)を所定の比率で添加し,新たに廃棄物由来の固化材を製造した.本年度は,本固化材を改良材として用いた場合,物性の異なる4種類の処理対象土に対して,どの程度の改良効果が見込めるのかを一連の室内実験で明らかにした. 本年度実施した室内試験の結果から,次のような知見を得た. (1)本固化材は細粒土に適しているものの,粗粒土であっても締固め度を適度に高くすることによって所定の強度を確保することができる.しかしながら,たとえ細粒土であっても,カオリンのような不活性粘土に対しては,ほとんど改良効果が見込めない. (2)室内実験で用いた供試体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果,すべての処理対象土中に針状のエトリンガイトの析出が確認された.しかしながら,その結晶形態は処理対象土の種類によって若干異なる感がある.この点については,もう少し詳細に調べる必要がある.また,エトリンガイト形成量を定量的に評価し,強度発現との関連性についても,今後検討していかなければならない.
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Research Products
(2 results)