2011 Fiscal Year Annual Research Report
走行性に着目した道路盛土の地震時変形制御対策に関する研究
Project/Area Number |
21560529
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
鍋島 康之 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (40263214)
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Keywords | 道路盛土 / 減災 / 耐震技術 / 道路性能 / 段差 / 走行性 / 部分補強 / 経済性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,道路盛土の崩壊・段差・沈下等が原因となって生じる全面通行止めや通行規制による道路ネットワークの機能麻痺で被災地の復旧・復興が困難になっている状況を考慮し,車両の走行性を確保することを道路性能の第一義として考えた道路盛土の補強を行う対策工に焦点をあてて研究する。盛土の崩壊については,車両の走行性を基準に,片側通行や減速走行が可能な場合は道路性能が維持されていると考え,地震時に道路盛土の崩壊や変形が発生しても車両走行性が保たれる程度に制御可能な耐震補強対策について検討し,課題解決を図る。本研究では,従来のような道路盛土の破壊を防止する耐震対策ではなく,部分的な崩壊や段差や沈下などの変形を許容しながらも走行性と道路ネットワークを維持できる耐震対策の検討を目的とする。 平成22年度の成果から法尻部における部分補強は道路盛土の耐震性向上に有効であり,表面工の剛性や形状によって,すべり面の大きさ,発生形状および模型盛土の法尻水平変位量に変化が生じることがわかっている。そこで,平成23年度は法尻部の補強範囲の違いによる耐震性ならびにすべり面の発生について検討し,表面工がある程度剛性を持つ場合,補強範囲が拡大するほど耐震効果は向上し,すべり面の発生は抑制されることが明らかになった。また,ある程度以上の補強範囲があれば盛土斜面の耐震性は確保されることがわかった。今回の実験では,剛性の高い表面工と鉄筋挿入工法を併用したモデルについて検討した結果,補強範囲が盛土斜面の半分以上あればすべり面の発生は抑制されることがわかった。 以上の結果から,部分補強盛土のり面の安定性に及ぼす表面工の剛性や補強範囲の影響が確認でき,その効果をある程度定量的に評価することができた。
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Research Products
(5 results)