2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨格構造の破壊を伴う粘土地盤の長期過大沈下挙動の究明と予測理論の構築
Project/Area Number |
21560530
|
Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
森脇 武夫 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (00166456)
|
Keywords | 地盤工学 / 国土整備 / モデル化 / 地盤沈下 / 圧密 |
Research Abstract |
圧密降伏応力をまたぐ荷重や繰返し荷重によって沖積粘土地盤や洪積粘土地盤で当初の予測を大きく超える過大沈下が長期にわたって起こり,社会基盤施設の建設・維持・管理の面で大きな問題になっている。そこで,本研究ではベンダーエレメント付きの分割型圧密試験を行なって,圧密過程中に粘土骨格の構造変化によって有効応力やひずみの地中分布がどのように変化するかを明らかにし,圧密過程中に沈下量が急増するメカニズムや残留沈下が継続する理由を明らかにするとともに,得られた知見をもとに骨格構造の変化を考慮できる二次圧密モデルを構築して,実問題への適用性を明らかにする。 自然堆積粘土の不撹乱試料に対して,堆積時の骨格構造の破壊が小さいと考えられる過圧密領域,骨格構造が大きく崩壊する過圧密領域から正規圧密領域にまたがる領域,および骨格構造が崩壊した後に二次圧密期間中に骨格構造が回復する正規圧密領域において,本研究で製作した分割型圧密試験を行い,圧密過程中のせん断波速度の変化を層別に測定した。このとき与える荷重としては定荷重と繰返し荷重の双方とした。 その結果、繰返し荷重が作用する場合は定荷重の場合と比べて骨格構造の破壊が進んで沈下量が大きくなるが、その程度は堆積時の骨格構造の影響を強く受ける過圧密領域で大きく、特に圧密降伏応力付近で顕著であることが明らかとなった。 また、一次圧密と二次圧密を区別することなく統一的に表現することが可能な弾粘性モデルをベースに,これに骨格構造の変化を考慮できる機能を付加した弾粘性モデルを構築した。このモデルでは、圧密降伏応力付近で骨格構造の破壊によって圧縮量が急増することを圧縮曲線および圧密曲線に反映させることが可能となった。
|