2011 Fiscal Year Annual Research Report
建設費の増大を必要としない高耐震性を有する斜杭基礎工法の研究開発
Project/Area Number |
21560531
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
佐藤 正義 独立行政法人防災科学技術研究所, 社会防災システム研究領域・災害リスク研究ユニット, 総括主任研究員 (80450261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 憲太郎 独立行政法人防災科学技術研究所, 減災実験研究領域・兵庫耐震工学研究センター, 主任研究員 (30282958)
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Keywords | 地震 / 地盤工学 / 耐震 / 斜杭基礎 / 直杭基礎 / 遠心振動実験 |
Research Abstract |
軟弱地盤における構造物の基礎工法としては,工期と工費の利点から杭基礎が最も良く用いられる。しかし、そのほとんどが直杭であり、斜杭が採用されることは非常に少ない。斜杭が採用されない主な理由の一つに斜杭基礎の地震時挙動の解明が十分でないということが挙げられる。本研究は、斜杭基礎の耐震性能を評価するため遠心振動実験を実施したものである。斜杭基礎の地震時挙動特性を把握するためには、通常用いられている直杭基礎との比較が重要であるので、乾燥砂を用いてせん断土槽に直杭基礎と斜杭基礎を並行に設置し、両者を同条件で加振し、杭に発生する軸ひずみおよび曲げひずみの対比から、斜杭の地震時挙動特性を明らかにした。ここでは、斜杭の本質的かつ基本的な地震時挙動特性の解明を目的としたため、実験は構造物無し,それぞれ4本柱で支持された長周期の構造物,短周期の構造物,剛体構造物およびフーチングと杭のモデルで行った。研究の結果、(1)構造物無しの場合、直杭基礎はフーチングが水平方向に変位すると、その方向にお辞儀をするような回転をするのに対し、斜杭基礎は直杭基礎の場合とは逆の回転動となる、(2)剛体構造物のように大きな慣性力が発生する場合、直杭基礎はフーチングが水平方向に変位すると、その方向にお辞儀をするような回転をするのに対し、斜杭基礎は直杭基礎の場合と同じの回転をして、曲げひずみを緩和する、(3)構造物の固有振動数では、曲げひずみに関しては直杭基礎のものの方が斜杭基礎よりも大きく、軸ひずみに関しては斜杭基礎の方が直杭基礎よりも大きくなるという傾向を示す、という斜杭基礎の地震時挙動に関する貴重な知見が得られた。
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Research Products
(4 results)