2010 Fiscal Year Annual Research Report
流砂系内における港湾建設の長期的・広域的影響の解明と新しい港湾設計手法の開発
Project/Area Number |
21560535
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
由比 政年 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (20262553)
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Keywords | 流砂系 / 港湾 / 人為的影響 / 海浜変形 / 波浪制御 / モニタリング / 海岸侵食 |
Research Abstract |
本年度は,石川県手取川起源の広域流砂系のうち,金沢港以北の北部加越海岸を中心に,深浅測量の結果を活用して,地形変動に対する統計解析を実施した.ここでは,沿岸域の地形変化を統計解析するためのツールとして経験的固有関数法を用いて,汀線位置の変動および海底地形変化を解析し,基本となるモードとその特徴を明らかにした.合わせて,海岸土砂量変動との関連や港湾防波堤・離岸堤等の海岸・港湾構造物建設に代表される人為的インパクトと海浜地形変動との相関について検討した. また,港湾防波堤の開口部あるいは背後域を局所的に掘削し,水深変化による屈折作用を発現させることで波浪制御を行って港内を静穏化する手法の有効性について検討を行った.ここでは,広い範囲の入射波条件に対して,緩勾配方程式を用いた体系的な数値解析を行って,期待される効果や適用限界等を明らかにした.続いて,一文字防波堤背後のトレンチ掘削の影響に関する基礎的検討を行い、規則波・不規則波それぞれに対する静穏化効果や有効適用範囲を明らかにした.並行して,浮消波堤を用いた港内の静穏化効果について,平面的な波高減衰特性を実験および数値解析から明らかにした. さらに,漁港建設の影響を受ける石川県珠洲市鉢ケ崎海岸にネットワークカメラを設置し,波浪・海浜地形の観測システムを構築して,高速回線を経由した自動連続観測の精度検証を進めた.今年度は,カメラによる汀線位置の推定に関して,トータルステーション測量やGPS測量の結果と比較した定量的検討を行い,観測手法の精度および定量的有効性を検証した.
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