2009 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測と水文モデルの融合による未計測流域の河川流量推定
Project/Area Number |
21560537
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石平 博 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (80293439)
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Keywords | 未計測流域 / 河川流量推定 / 衛星観測 / DSM |
Research Abstract |
本年度は、流量推定手法の開発とその改良に関する検討を行った。主な検討項目と成果を以下に示す。 1.流量推定手法の開発 衛星画像から得られる河川水面幅の変化に関する情報をリファレンスとして、水文モデルのパラメータ及び河川水面幅Wと流量Qの関係式(W-Q式)のパラメータを同時にキャリブレーションする手法を開発した。また、キャリブレーションに用いる河川水面幅の観測頻度や精度が流量推定精度に及ぼす影響についても検討を行った。その結果、川幅が数100m~1km程度の河川については、TERRA/ASTERやJERS-1/SARなど現在利用可能な高解像度衛星画像を用いた流量推定が可能であること明らかとなった。 2.河道横断情報の導入による流量推定手法の改善 ALOS/PRISMより得られる地表面高さ情報(PRISM-DSM,解像度2.5m,)を用いて、対象地点の河道横断形状を抽出した。また、この河道横断形状とマニング式を上記の流量推定手法に導入し、単純なべき乗関数でモデル化していたW-Q式を、河道特性に基づく水理学的な式として与える方法を確立した。これにより、W-Q式におけるチューニングパラメータの物理的な意味がより明確となり、キャリブレーションにおけるパラメータ値の上限/下限値の合理的な決定やキャリブレーションにより得られたパラメータの妥当性のチェックが可能となった。さらに、このW-Q関係の導入に伴う流量推定手法の精度向上、不確実性の減少などの効果が確認された。
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