2011 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測と水文モデルの融合による未計測流域の河川流量推定
Project/Area Number |
21560537
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石平 博 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (80293439)
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Keywords | 未計測流域 / 河川流量推定 / 衛星観測 / DSM |
Research Abstract |
本研究の目的は、水文モデルと衛星観測河道情報(河川水面幅の変動、河道横断形状)を組み合わせた新たな河川流量推定手法を開発することである。最終年度である本年度は、準リアルタイム河川流量監視システム構築に向けた検討を実施した。具体的な検討項目は以下の通りである。 1.高精度河道位置データの整備 アジアの主要河川(メコン河など)を対象として、空間解像度衛星画像の全球モザイクデータであるGeoCoverから河川水際線を抽出し、これをもとに高い位置精度を有する河道位置データを作成した。このデータは、衛星画像から河川水面の位置や面積変化を自動抽出する際の補助的な情報として用いるものであり、従来の全球河道位置データと比較して、高い位置精度を有しているなどの特徴がある。 2.マイクロ波放射計データの利用可能性の検討 本研究で開発した河川流量手法の適用において、十分な推定精度を確保するためには、より高い頻度での河川水面幅の観測が必要となる。しかしながら、可視・近赤外センサーでは、曇天下での地表面観測が出来ないため、熱帯地域などにおいて長期にわたるデータ欠損が起こる可能性があり、全天候観測が可能な合成開口レーダーについては、観測頻度が低いという問題が残されている。そこで、解像度約25kmのマイクロ波放射計データから、偏波比を用いて間接的に河川水面幅の変動を抽出する技術について検討を行った。その結果、マイクロ波放射計の観測データをもとに、非常に大規模な洪水ピークの発生時期や規模、高水流量の年々変動に関する情報などが得られることが明らかとなった。
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