2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形科学的手法による降水量の2+1次元ダウンスケーリング
Project/Area Number |
21560539
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
葛葉 泰久 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (50373220)
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Keywords | マルチフラクタル / スケーリング / ダウンスケーリング / 降水量 / 時空間分布 |
Research Abstract |
まず,研究計画は以下の課題の解決であった. (課題1)2+1次元ダウンスケーリングのためのマルチフラクタル的手法を検討すること (課題2)モデルのパラメータ同定手法を確立すること 研究実績として,以下のものが得られた. (1)検討の結果,基本的にLovejoy,Schertzerらの「マルチフラクタル・ユニバーサルモデル」を使用することにした. (2)課題2に関し,気象庁の解析雨量を用い,Lovejoyらの「マルチフラクタル・ユニバーサルモデル」で用いる3つのパラメータを的確に同定する手法を検討した.空間的なスケーリングに関しては,先行研究と同じようなパラメータが得られた.時間的なスケーリングについては,次年度も引き続き検討するが,現在までの検討の結果,空間的スケーリングと時間的スケーリングのパラメータが大きく異なることが分かってきた. (3)(2)の結果,2+1次元ダウンスケーリングは,時間方向と空間方向でその性質が大きく異なり,先行研究でその道筋が示されていない,非線形的な手法を開発する必要があることが分かってきた.空間的スケーリングと時間的スケーリングの構造がほぼ同じである場合,2次元(普通でいうことろの降水量分布)に1次元(時間方向)を(同じパラメータを使用して)加えるだけでモデルが構築できると考えていたが,検討の結果,モデル構築が,当初の予想のように簡単ではないことが分かってきた.次年度にさらに検討を行う.
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