2010 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸漂砂系における底質土砂の鉛直方向分布特性の観測調査及びモデル化に関する研究
Project/Area Number |
21560540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30283675)
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Keywords | 自然現象観測・予測 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究は,河口デルタ海岸に供給される土砂の移動(沿岸漂砂系)について,砕波帯内での流体運動により生じると予想される底質土砂の鉛直方向再配分のメカニズムについて現地観測手法により明らかにするとともに,平面的な土砂動態との結合を行い,長期的な海浜変形モデルへの適用を目指すものである.平成22年度には,対象地域における海底地形の計測および海底底質の採取を夏期(8月)に実施した. 海底地形の計測は,2009年10月,2010年3月に続いて3回目であり,約1年間の地形変化を約半年間隔で計測する結果となった.この期間中,計測範囲内の地形には大きな変化は確認されず,旧観測桟橋(大潟波浪観測所)周辺ではトラフと弧状砂州が形成されていた.また,旧観測桟橋(大潟波浪観測所)に沿った測線での断面地形を比較すると,旧桟橋付近の汀線が後退していることが確認されており,対応するように水深2~3mの浅い領域が2009年の計測結果から浸食(水深が増加)していた.数年前に堆積傾向が確認されていたことから,その後徐々に浸食傾向へと移り変わっていることが予想される. 2011年8月には,底質のコアサンプリングを実施した(全9地点).そのうち8地点において約1m程度のコアサンプルを採取することができた.その結果,鉛直方向に粒度の異なる底質が交互に重なる様子や,水深の深い地点でのコアサンプルには粘土質のような層の存在も確認された.ただし,今回の計測結果では,以前の計測で確認されたような大きな砂礫の存在は確認できなかった.
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