2011 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸漂砂系における底質土砂の鉛直方向分布特性の観測調査及びモデル化に関する研究
Project/Area Number |
21560540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30283675)
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Keywords | 自然現象観測・予測 / モデル化 / 海底地形 / 底質調査 |
Research Abstract |
平成23年度は,対象地域(上越・大潟海岸)において海底地形の計測および海底底質の採取を行った(2011年7月) また,2010年度に引き続きバイブロコアサンプリングによる底質のコアサンプルの採取を試みた. GPS測深器による海底地形計測では,一昨年,昨年と計測を行った範囲(防災研究所大潟波浪観測所,旧桟橋周辺)に加えて,東側に位置する上下浜にも計測範囲を拡大した.旧桟橋周辺の地形は,過去2年の計測結果と大きな変化は見られず,弧状沿岸砂州の存在が確認された.今回が初めての計測となる上下浜では,沿岸砂州などの存在は確認されず,計測範囲においては汀線に平行な等深線が岸沖方向に続く状況が計測された. 旧桟橋延長線上でのコアサシプリングは,悪天候のため汀線に近い2地点のみの採取となった.そのため,前年度の観測結果との比較が行えるまでには至らなかったが,昨年度同様の砂質を中心とする底質が鉛直方向に分布している様子が目視で確認された. 昨年度に採取されたコアサンプリング結果の解析から,岸沖断而内における鉛直方向の粒径分布が示された.採取された底質の多くは砂質であるが,深い部分のコアサンプルには粘土質の部分も見られた. 中央粒径の鉛直分布から,汀線とトラフの間の多くの計測点で粗砂と中砂の互層状態となっていることが確認された.最も表層部分では深さ50~60cmの間に粒径の大きな砂(粗砂)の上に粒径が小さい中砂が堆積しており,その下の部分には粗砂の上に中砂が堆積する状況が繰り返されていることが確認された.
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