2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルコストを考慮した養浜砂浜の最適底質と海浜形状の決定手法の構築
Project/Area Number |
21560547
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
辻本 剛三 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 教授 (10155377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究所, 教授 (60264280)
柿木 哲哉 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 准教授 (50353298)
宇野 宏司 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 准教授 (00435439)
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Keywords | 人工海浜 / X線CT / 内部密度 / 画像計測 / 潮位変化 |
Research Abstract |
海浜の地形や底質特性の変化に関する研究は,外洋に面した高波浪の影響下の開放性の海浜を対象としていることが多い.一方,内湾などの閉鎖性の海域に面した海浜は,吹送距離等が制限され波エネルギーも小さく静穏性が高く'low-energy-beach'と称されており(以後,LEB),このような砂浜では養浜による人工海浜が創造されることが多い。LEBの地形形状や底質特性の変動に関する長期的な予測を2年間の現地調査結果に統計的手法を適用した.地形の変動と底質粒度の変動モードを6つのパラメータで表示することが可能になり、それらに主成分分析を施した。潮位は天文潮、波浪はワイブル分布で風速値より推定した。これらの値を用いて変動モードの2011年~2020年の10年間の長期予測を行った。波作用下のトラフやバーの内部の空隙や密度構造をX線CT法で実験的に調べ、層内の湿潤密度分布の時間変化から底質の撹乱深さを推定することが可能になり、バーやトラフにおいてその大きさが異なることを示した。空隙率は地形の変化にともない常に変動しており、本研究の範囲においては0.28~0.6程度の範囲で時空間変動する。淡路島・成ヶ島東岸に拡がる自然砂浜の時空間的な動態を把握することを目的に,底質・海浜植生分布と風の特性把握に係る現地調査,底質特性の時空間変動に関する統計解析,現地の風の出現特性を考慮した飛砂量計算を行い,本砂浜における底質の季節変化とその要因について検討した.その結果,平均粒径の時間変動は,風の出現特性との相関が高く,空間変動は岸沖方向にほぼ一様で,標高に応じた変動特性が見られることがわかった。波打ち帯で生じている現象は計測するには激しく、かつ水深が非常に浅いため、波打ち帯の漂砂量を定量的に計測することは困難であり、そこで本研究では砂の移動そのものを画像計測により直接捉えた結果、引き波時の砂移動が計測できており、その層厚は7-8mm程度で、速度の最高点は底面表層から数mm内部に存在し、大きさは7-8cm/s程度であった。遡上域全体にわたって漂砂量を調べた結果、岸沖漂砂は空間的な分布を持ち、そのピークは地形が堆積から侵食に変化する地点であった。
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Research Products
(12 results)