2009 Fiscal Year Annual Research Report
物流の理解深化と物流施策評価のためのサプライチェーンネットワーク解析
Project/Area Number |
21560556
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 忠史 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80268317)
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Keywords | サプライチェーン / ネットワーク均衡 / 変分不等式 / 物流施策 |
Research Abstract |
消費要求の多様化や国際的な販売競争の激化に伴い、サプライチェーンネットワーク(Supply Chain Network: SCN)の効率的な形成が積極的に実施・検討されている。本研究は、物流施策の実施効果のSCN全体での推定を目指し、SCN上での商品の流動特性や活動主体の行動特性を考究するものである。 本年度は、(a)国内外の企業への調査、国内外の既存の物流調査、関連する文献の精査に基づいて、実際のSCN特性を把握し、(b) SCN上の行動主体の意思決定、および、その相互作用を考慮したうえで、多段階のSCN上で生じる現象(商品生産量、商品取引量、輸送量、商品価格など)を記述する手法を構築し、(c)実際のSCN上での実現値とモデルから得られた推定値との整合性について検討した。 項目(a)については、代表的な商品のサプライチェーンに着目して、SCN特性(ネットワーク形態、および、SCN上で発生する費用や商品取引量など)について、国内外の企業に対してヒアリング調査を実施した。さらに、サプライチェーンマネジメントについて調査・研究した既存文献、および、これまでに国内外で実施されてきた物流調査の結果を併せて、実際のSCN特性の把握に努めた。項目(b)については、既存の研究論文、および、関連する数理計画手法を参考にして、多段階の寡占的なSCN上で活動する複数主体(製造業者、小売業者、卸売業者、物流事業者、消費市場)の行動や意思決定を数理計画問題の枠組みでモデル化した。項目(c)においては、項目(a)で実施した調査などを通じて、各主体の費用(生産、在庫、取引、施設、輸送などに要する費用)、および、その関数形やパラメータ値を調整し、売上高に占める物流費用比率などについて、実現値とモデルから得られた推定値との整合性を検証した。
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Research Products
(4 results)