2011 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシング解析による作物生育障害要因の時空間分布特性の解明
Project/Area Number |
21560569
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
力丸 厚 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70334688)
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Keywords | 環境生態 / リモートセンシング / 生育障害 |
Research Abstract |
国内における稲作に関する生育障害と,海外での小麦生産に関する生育障害内容を,リモートセンシング解析による作物生育障害要因の時空間分布特性の解明し,障害発生の早期発見のための基礎技術を開発し,食料の安全・安定供給のための情報技術の開発を目的として研究を実施した。 宮城県石巻地区における水田の津波や塩害等による被災後の生育障害と復興状態の把握 東日本大震災後の石巻周辺の農地被災状態および2011年度の農地の作付けおよび生育状態を,時系列の衛星観測画像を用いて,生育状態が正常であるか否かを分析し評価した。この分析結果は現地調査により検証した。2011年度の水稲作付け時期の対象地区は,晴天日が少なく,多くの地球観測衛星による観測では,雲域が多く農地が良好に観測されたデータは数少なかった。このため毎日2回と撮影頻度の高い観測をおこなっているMODISの観測画像を用いて,生育状態の追跡をおこなった。地上分解能が250mと農地区画に比べて十分ではないため,農地を複数個結合したブロックごとの広域区画ブロックのベクタ情報を作成し,広域区画ブロックごとに,生育状態の評価をおこなった。 観測時間間隔の密な情報による生育状態の評価手法の開発と検証が行えた。 オーストラリアの小麦作付け地区における干ばつの解析 サウスオーストラリア州ヨーク半島付近の小麦生産地帯において,干ばつ発生年の2006年,2007年および豊作年の2008年の各時系列MODIS観測を用いて,年度間を比較検討する方式で,干ばつ状況の把握の可能性を検討した。干ばつ年と豊作年との比較により,時系列の衛星観測画像解析により干ばつ年の生育不良領域の特性が確認されて,不作地域の分布を抽出することができた。海外農地の生育障害を評価する基礎的な手法が開発できた。
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