2009 Fiscal Year Annual Research Report
市中レジオネラ感染対策に向けた水系環境温度でのレジオネラとアメーバ相互作用の解明
Project/Area Number |
21560573
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大野 章 Toho University, 医学部, 助教 (40223903)
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Keywords | Legionella pneumophila / Acanthamoeba castellanii / 温度 / VNC(5)Acanthamoeba polyphaga / Haltomanella vermiformis / Real time PCR / BacLight染色 |
Research Abstract |
Legionella pneumophila Lp01およびAcanthamoeba castellanii ATCC30234との温度による捕食寄生関係が、20℃以下の温度では、Amoeba細胞内にてLegionellaがその数を減少させていく現象を明らかにしてきた。そのメカニズムを解明するため、15℃、35℃の温度での相互作用を、経日的にplate法、Real time PCR法、BacLight染色法により追跡した。その結果、plate法では15℃インキュベーションにおいてコロニー形成数の減少が明確に見られるのに対し、Real time PCR法では菌数の減少は認められず、さらに生菌と死菌の区別が可能なBacLight染色法によるカウントでもまた菌数の減少は認められず、さらにほとんどの菌は代謝能を有しており生きていることが示された。すなわちこの結果は、L.pneumophilaは、15℃ではAmoeba細胞内にて生きてはいるが分裂不能の状態すなわちViable but non cultivable(VNC)状態に変化していることを示唆している。 またA.castellanii以外の自由生活型アメーバであるAcanthamoeba polyphagaおよびHaltomanella vermiformisと、L.pneumophilaの温度による捕食寄生関係について検討した。結果は再現性実験はまだ実施していないが、ほぼA.castellaniiとの関係と同様の成績を得た。 現在、どのようにしてL.pneumophilaがAmoeba内にて低温時にVNC化するかについて、関連すると思われるrpoS遺伝子欠損変異株を用いて検討中である。さらに透過型電子顕微鏡を用いて15℃でのAmoeba内のL.pneumophilaの形態についても検討中である。
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Research Products
(2 results)