2011 Fiscal Year Annual Research Report
市中レジオネラ感染対策に向けた水系環境温度でのレジオネラとアメーバ相互作用の解明
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21560573
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大野 章 東邦大学, 医学部, 講師 (40223903)
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Keywords | Legionella pneumphila / Acanthamoeba castellanii / Acanthamoeba polyphaga / Haltomannella vermiformis / TaqMan real-time PCR / EMA Taqman real-time PCR / VNC / 河川水 |
Research Abstract |
1.各種subgroupのL.pneumophia SG1株で、環境での生残や病原性に関係のある遺伝子;rtx,lvh,65kb pathogenic islandの保有に特徴のある臨床分離株および環境株を用い、Acanthamoeba castellaniiとの15℃でのインキュベーション実験を行った。結果は、subgroupの違い,あるいは病原性の差に関係なく、15℃ではAmoeba内にてL.pneumophila LP01株同様にVNC状態に移行することが示された。 2.Acanthamoeba polyphagaおよびHaltomannella vermiformisに対し同様の実験を実施した。結果、前者でL.pneumophilaはVNC化せずamoeba内で増殖した。後者では、L.pneumophilaは減少も、増殖もせず増殖能を有する細胞数を一定に保っていた。結果からL.pneumophilaが15℃でamoeba内でWC化するのは、特定のamoebaとの間に生じることが本研究で初めて明らかにされた。 3.水温の異なる季節に多摩川、鶴見川の複数定点で河川水をサンプリングし、培養法、TaqMan RTPCR,EMA-TaqMan RTPCRを行い、L.pneumophilaコロニー形成数、生菌数、総菌数を測定した。その結果、両河川とも季節に関係なくコロニー形成L.pneumophila数はほとんど検出されなかったが、生きた状態で存在し、若干夏場に数が増える傾向が見られた。また、河川水中のamoebaをPCR法にて調べたが、両河川ともHaltomannella優位で、Acanthamoebaは検出されず、結果として水温による影響は見られなかった。両河川にはL.pneumophilaが低温でVNC化する対象のamoebaは検出されなかった。流れのある河川ではLegionellaとamoebaの出会う機会が少なく、Legionellaの主たる生息場はamoebaとの接触機会の多い湿った土壌である可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)