2009 Fiscal Year Annual Research Report
各種劣化要因が鉄筋腐食速度に及ぼす影響の評価とRC造建築物の寿命予測
Project/Area Number |
21560579
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
桝田 吉弘 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (30272214)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 鉄筋腐食 / 含水率 / 腐食速度 / 塩化物量 / 水セメント比 / かぶり厚さ |
Research Abstract |
コンクリートの品質およびかぶり厚さを変えて鉄筋を埋め込み、屋外で長期(20年)間暴露試験したコンクリート試験体を解体し、鉄筋腐食状況を計測して、鉄筋腐食に及ぼす各種要因の影響を検討した。劣化要因は、コンクリートの水セメント比(50、55、60、65%)、塩化物量(0、0.1、0.3、0.5、1.0NaCl/砂%)、鉄筋のかぶり厚さ(15、20、30、40mm)とした。 その結果、鉄筋の腐食は、ひび割れの発生と共に急激に促進され、かぶり厚さの影響は主にひび割れの発生に起因しており、塩化物量が多いほど、かつ、かぶり厚さが小さいほど、深さ方向に進む傾向があることなどを明らかにした。 また、過去に行った促進劣化試験および短期暴露試験の結果と合わせて解析し、腐食速度式を作成した。腐食減少率(%)〓w=at^bとし、最小二乗法により、腐食速度係数aと腐食傾向定数bを求めた。鉄筋の腐食速度係数aは、塩化物量が特に多い場合を除いて、概ねかぶり厚さに反比例しているが、コンクリートの水セメント比、塩化物量には概ね直線的に増大する。また、腐食傾向定数bは、水セメント比、かぶり厚さ、塩化物量の増加に伴い、わずかに増加傾向であり、本解析で対象とした範囲内では0.4~0.55程度となる。従って、腐食減少率(%)は〓w=a√<t>と表され、鉄筋の腐食速度係数aはa=1/C{0.04(C1^-+8.0)(W/C+142.5)-67.73}となることを示した。
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