2010 Fiscal Year Annual Research Report
RC造構造物の水熱同時移動の体積変化に伴う拘束時の微細ひび割れ局所化制御法の開発
Project/Area Number |
21560580
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 成春 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (50282380)
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Keywords | コンクリート / 損傷 / 信頼性 / ひび割れ / 確率 / クリープ / リラクセーション |
Research Abstract |
本研究は,コンクリートの乾燥時の水分逸散と温度変化時の熱拡散を水熱同時移動より捉えて,その体積変化を評価し,その体積変化が拘束された時のひび割れ発生限界値を,拘束状態下の破壊進行領域にあたる微細ひび割れ局所化の開始時と考え,その微細ひび割れ局所化メカニズムを定量的に解明し,RC造構造物の耐久性向上に重要なかぶりコンクリートのひび割れに対する新たな合理的制御技術を開発する。平成22年度の研究成果は次のとおりである。引張リラクセーション試験の応力緩和特性を,step by step解析によりケーススタディーした。その結果,自由歪みと載荷開始瞬間弾性歪みと作用応力増分歪みが適切であれば,step by step解析の考え方を通して,引張リラクセーション試験の緩和応力が求められること,引張クリープ試験と比較してクリープによる歪みと緩和による応力の発生状況は正比例の関係にないこと,を明らかにした。また,かぶりコンクリートとひび割れ発生の関係について,中性化及び塩分浸透に対するかぶりコンクリートの信頼性を検討することとし,信頼性工学を利用して評価した。その結果,設計かぶり厚さ,中性化速度係数,見かけ塩分拡散係数,タイル仕上の浮き・破損率のばらつき分布を文献調査し,確率密度関数で整理できた。また,タイル仕上を考慮した中性化及び塩分浸透の経時変化から現れる鉄筋発錆確率を抵抗R-作用Sモデルで算定し,抵抗Rモデルと作用Sモデルの確率密度関数形状が及ぼす影響を定量評価した。
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