2010 Fiscal Year Annual Research Report
多方向入力時の鋼繊維補強・超高強度RC架構の耐力劣化・変形能力と部材損傷度の評価
Project/Area Number |
21560581
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野口 博 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107535)
|
Keywords | 建築構造・材料 / 鉄筋コンクリート構造 / 多方向入力 / 鋼繊維 / 高強度 / 耐力劣化 / 変形能力 / 部材損傷度 |
Research Abstract |
超高層RC建物に必要な超高強度コンクリートの安全性・信頼性向上のために鋼繊維補強が重要であり、その補強効果として、コンクリートの引張強度、引張塑性能力の向上によるひび割れ分散効果が考えられ、FEM解析による抵抗機構の合理的な理解が求められている。本研究では、鋼繊維補強の部材の耐力劣化、変形能力への寄与度とその抵抗機構をFFM解析により検討し、実験結果と比較、検証することを目的とした。平成22年度には、3次元解析では、動的載荷を主な対象とし、静的載荷時との差異を検討した。 1)立体架構での部材間の相互作用: 多方向加力時の柱・梁接合部等の単体挙動と立体架構内の各部材の挙動の差異の解析検討 1方向加力や2方向岡時加力(45度加力)と対比させて、多方向加力の場合の曲げ降状や圧縮破壊の発生順や進行度等を比較し、また部材間相互作用の基準加力時の場合との相違点や、損傷領域の拡大の進行度の差異も検討した。また、せん断ひび割れによる接合部損傷や梁通し筋付着劣化が連動し、梁に対する接合部の固定度劣化から生じる梁の曲げ降伏強度の低下は、設計上重要な問題なので、解析の面から明確にした。 単体と立体架構内での偏心柱・梁接合部の偏心接合の影響度の解析検討: 偏心柱・梁接合部単体と立体架構内との違いを検討した。立体架構では、周辺部材の拘束により単体の場合よりも偏心の影響が緩和されることも想定される。逆に多方向加力で偏心効果がより顕著に生じる可能性もある。 2)円弧周回型多方向水平加力時の立体架構での耐力劣化と塑性変形、部材損傷度の解析 立体架構での多方向水平加力時の部材の耐力劣化、塑性変形の加速機構の検討: 2層2スパンの立体架構において、1方向加力、2方向同時加力、円弧周回型のような多方向水平加力の順に3次元FEM解析により検討し、既往の実験結果とも比較し、解析モデルの検証を行った。単純な1方向や2方向同時加力に比べ、多方向加力の場合の曲げ降状や圧縮破壊の発生順や進行度等を比較し、損傷領域の拡大の進行度の差異も検討した。
|