2010 Fiscal Year Annual Research Report
変位制御型ブレースを用いた鋼構造骨組の地震時過大変形抑止法
Project/Area Number |
21560583
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 浩 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70283629)
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Keywords | 鉄骨構造 / ラーメン構造 / ブレース構造 / 変立制御 / テンションロッド / 制振構造 / 近似直線運動機構 / 載荷実験 |
Research Abstract |
本研究では,ラーメン架構としてのエネルギー吸収能力を維持しつつブレース架構としての強度を保持できる変位制御型ブレースを用いて,大地震時に鋼構造骨組に生じる過大変形を効率よく抑止する方法を構築することを目的としている。本年度の研究成果を項目別にまとめる。(1)変位制御型ブレースを架構に取り付けるためのガセットプレートおよびブレース交差部のクロスターンバックルの設計法について検討し,有限要素解析により設計法の妥当性を確認した。(2)テンションロッドを用いた変位制御型ブレースの実大実験を行い変位制御精度などの特性を明らかにした。(3)変位制御型ブレースによる耐震性能向上および過大変形抑止効果を明らかにするために,2層3スパン鋼構造骨組の地震応答解析を実施した。一般のブレースを用いた場合と解析結果を比較し提案ブレースの有効性を明らかにした。(4)ラーメン架構のエネルギー吸収能力に加えてさらにエネルギー吸収能力を高めるために,U形ダンパーを用いた制振構造の検討を行い,この制振構造を多層多スパン骨組に適用するための設計法を構築した。(5)前述の制振構造において,U形ダンパーの部分に粘弾性ダンパーを用いた場合についても検討した。3層3スパン骨組の地震応答解析を通じて制振効果を明らかにした。(6)テンションロッドの材料に高張力鋼を用いることで最初からブレースを作用させる場合においても,変位制御型ブレースと同等の性能を発揮できる場合があることを示した。
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