2009 Fiscal Year Annual Research Report
鋼構造柱梁接合部段違いパネルの崩壊機構に及ぼす種々の影響
Project/Area Number |
21560589
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑原 進 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (10243172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向出 静司 大阪大学, 工学研究科, 助教 (20423204)
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Keywords | 建築鋼構造 / 柱梁接合部パネル / 段違いパネル / 塑性解析 / 繰返し載荷 / パネル耐力 / 崩壊機構 / 梁せい |
Research Abstract |
本研究では建築鋼構造柱梁接合部パネル,特に左右の梁せいが異なる場合の柱梁接合部パネル(以下,段違いパネル)を対象とする.既往の研究では実験により段違いパネルの力学性状を確認し,角形鋼管柱段違いパネルの機構A,B,B2,B3,Cの5種類の崩壊機構に対し,塑性解析法により耐力推定式を提案している.本研究ではより広範なパラメータに対してFEM解析を行い,力学性状を明らかにするとともに設計式を提案する.本年度おこなった既往の実験結果とFEM解析結果の比較,種々のパラメータに対するFEM解析結果より,新たな崩壊機構Dとそれより導かれる耐力式を提案した.機構Dは機構Cをより一般化した機構でパネルフランジの面外変形を考慮したものである.この機構を考慮することにより角形鋼管柱段違いパネルの崩壊性状・耐力を合理的に評価することができる.機構A~機構Dで算出される耐力のうち最小値を取るものが真の崩壊機構となるが,これら全ての耐力を算出することは設計上煩雑な作業となる,そこでこれらの耐力式を用いて様々な柱梁の組み合わせについてパラメトリックに計算を行い,崩壊機構・耐力に及ぼす諸変数の影響を考察した.その結果,形鋼を組み合わせた柱梁接合部では,角形鋼管柱の場合は機構Bが,円形鋼管の場合は梁機構が卓越する頻度が最も高い機構であり,その他の機構が生じることはほとんどないことがわかった.これらの結果から,設計の際には機構Bだけを考慮すればよいといえる.ただし角形鋼管柱でFBランクの柱を用いた場合には部分的に機構Dが卓越することがあるため,パネル厚を大きくして機構Dが生じないようにするか,機構Dを検討する必要がある。
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