2009 Fiscal Year Annual Research Report
鋼材付着制御に基づくプレストレストコンクリート部材の次世代耐震設計法の開発
Project/Area Number |
21560596
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北山 和宏 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 教授 (70204922)
|
Keywords | プレストレストコンクリート / PC鋼材 / 付着 / 耐震設計 / 耐震性能評価 / 梁 / 柱梁骨組 / 限界状態 |
Research Abstract |
7mmの7本より線あるいは直径15.2mmの7本より線を用いた。コンクリートの圧縮強度は69MPaであった。得られた結論を以下に示す。 (1) 梁主筋として付着の良いD13を使用した試験体3体は紡錘形の復元力特性を示し,梁のコンクリートの圧壊と梁主筋の座屈・破断が生じた。梁主筋として付着の悪いD19を使用し,プレストレス率が0.45の試験体はRC造に類似した復元力特性を示し,柱梁接合部パネル内の梁主筋の付着劣化によって履歴ループのピンチ化と梁コンクリートの圧壊を生じた。 (2) 全試験体で梁部材角の増加とともに梁危険断面から0.5D (D:梁全せい)の領域内の曲げひび割れ幅が増加し,その区間の梁主筋が塑性化した。 (3) 梁付け根のコンクリート圧壊領域はプレストレス率が大きくなるほど拡大し,押切載荷時でプレストレス率が最大の0.79である試験体は,プレストレス率が最小の0.45である試験体の1.8倍であり,圧壊長さは全試験体で0.18D~0.33Dであった。 (4) 梁部材角3%(梁の最大耐力程度)時の梁のたわみに占める梁危険断面から0.5Dまでの領域の回転変形の割合は全試験体とも80~90%であった。 (5) 梁の残留変形と残留ひび割れ幅はプレストレス率に影響し,プレストレス率が大きくなるほど残留変形が小さくなり,載荷ピーク時に対する除荷時の曲げひび割れ幅の比は,プレストレス率が0.45ではRC造と同様の0.5程度であったが,プレストレス率が0.79ではその比は0.14であった。 (6) 各種限界状態時の梁部材角は,使用限界は0.25~0.50%,修復限界1は0.93~1.66%,修復限界2は1.35~2.26%,安全限界は2.94~4.32%であった。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
[Journal Article]2009
Author(s)
林静雄、北山和宏、衣笠秀行、坂田弘安
-
Journal Title
初めて学ぶ鉄筋コンクリート構造(市ヶ谷出版社)
Pages: 188(担当2-12,73-92,117-144)
-