2011 Fiscal Year Annual Research Report
鋼材付着制御に基づくプレストレストコンクリート部材の次世代耐震設計法の開発
Project/Area Number |
21560596
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北山 和宏 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70204922)
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Keywords | プレストレストコンクリート / PC鋼材 / 付着 / 耐震設計 / 耐震性能評価 / 梁 / 柱梁骨組 / 限界状態 |
Research Abstract |
付着性能の異なる梁主筋(異形および丸鋼)とPC鋼材(異形PC鋼棒、丸型PC鋼棒および19本より線)の組合せを変数としたPRC平面柱梁十字形部分架構における静的載荷実験(昨年度実施)の結果を詳細に分析し、梁部材の耐震性能について以下の知見を得た。 (1)復元力特性の履歴ループの形状は梁主筋の付着性能によって支配され、梁主筋の付着が良い場合には紡錘形となったが、付着が悪い場合にはやせた逆S字形となった。梁主筋の座屈・破断はPC鋼材の付着性能に依存し、付着が良い場合にはこれらは生じなかったが、付着が悪い場合には座屈・破断が見られた。 (2)異形鉄筋を用いた梁主筋の柱梁接合部内中央での付着性状は、PC鋼材の付着性能に支配された。PC鋼材の付着性能が良好な場合、付着作用によってシース管から放射状の圧縮力が周辺のコンクリートに伝達され、柱軸力と合わせて梁主筋を拘束した結果、梁主筋の付着強度が増大したと考える。 (3)梁の残留変形と残留曲げひび割れ幅はPC鋼材の付着性能に支配され、付着が良いほどこの両者は大きくなった。 (4)各種限界状態時の梁部材角は、使用限界は梁主筋の降伏によって決まり0.24~0.59%であった。修復限界1はPC鋼材の弾性限界あるいはかぶりコンクリートの軽い圧壊で決まり、そのときの梁部材角は0.97~1.28%であった。修復限界2は残留変形角1/200あるいはPC鋼材降伏で決まり、そのときの梁部材角は1.70~2.71%であった。安全限界はコア・コンクリートの圧壊で決まり、そのときの梁部材角は2.88~4.36%であった。 (5)日本建築学会による提案手法によって推定した、梁のせん断力-部材角関係の復元力骨格曲線は、実験による復元力履歴特性の包絡線とほぼ一致したが、諸事象発生時の梁部材角は過小に評価した。
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Research Products
(4 results)