2011 Fiscal Year Annual Research Report
建築構造物における衝撃的破断現象の解明に関する基礎研究
Project/Area Number |
21560600
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高畠 秀雄 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (20064462)
|
Keywords | 建築構造 / 耐震設計 / 衝撃的破壊 / 建物の衝突 / 衝突緩和 |
Research Abstract |
課題1 地震による建物同士の衝突によるEXP.Jの破壊挙動の解明と防止策の提案 地震動により、隣接した建物同士がExpansion Joint(以後EXP.Jと略記)で衝突する際の力学的挙動を実験的に検討した。次に、衝突力を緩和するため、独自に考案した緩和材をEXP.Jに挿入した場合の有効性を実験的に検討し、その有効性を確認した。互いに質量が異なる1スパン4層建てのラーメン構造骨組(アルミ合金製縮小模型)からなる2棟を用いて、振動台による加振実験をして、EXP.Jで衝突させる。建物同士の空きはEXP.Jの空きを調整する事によって、2棟の建物同士の衝突の発生の有無と、その時発生する衝撃力の大きさとEXP.Jの空きとの関係を調べた。前年度は、最上層の床(屋根面)にアタッチメントを取付け、屋根面のみが衝突する際の検討を行った。今年は、実際の構造物が衝突する場合に近い状態として、アタッチメントを無しにし、2棟の構造物が全面で衝突する場合を想定して実験を実施した。その結果、アタッチメントの有無に関係なく、両者はほぼ同傾向を示すことが判明した。また、衝突面の挙動を陽解法のDytranを用いて解析し、衝突現象の数値解析モデルを確立した。昨年度の成果研究を含めて、現在、研究結果を論文にまとめている段階である。 課題2 動的荷重を受ける構造物の力学性状と衝撃的破断現象の理論構築 平板における荷重効果と固定荷重の関係を論文発表した。梁に衝撃的な荷重が作用した時の応答性状を衝撃用汎用ソフトDYTRANを用いて、荷重の速度と大きさによる破壊性状の違いを数値計算により明らかにし、実験的に検証した。次に、脆性材料(ケイカル板)を用いた片持梁の衝撃的集中荷重による破壊性状の違いを実験的に解明した。目下これらの研究成果の論文化を進めている。
|