2010 Fiscal Year Annual Research Report
構造体コンクリートの発熱・熱伝導・水分拡散モデルを統合した強度推定システム
Project/Area Number |
21560606
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
杉山 央 国土技術政策総合研究所, 工学研究科, 教授 (50344015)
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Keywords | コンクリート構造体 / 強度発現 / セメント-水和反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、コンクリート構造体内部で生じる発熱、熱伝導および水分拡散の影響を取り込んだ構造体コンクリートの強度推定システムを開発することである。コンクリートの発熱にはセメントの水和反応が大きく関与し、またコンクリート中の水分拡散にはセメントの水和反応による水分消費が複雑に関与している。そこで、本研究ではセメントの水和反応モデルを出発点としたコンクリート構造体の発熱モデル、熱伝導モデルおよび水分拡散モデルをそれぞれ構築し、それらを互いに関連付けることで広範な強度推定システムの開発を目指した。 平成22年度は、以下の研究を実施した。 1)発熱・熱伝導・水分拡散モデルを取り込んだ強度推定システムのプロトタイプ開発 構造体コンクリートの強度発現は構造体内部の発熱、熱伝導および水分拡散の影響を受けるが、これらの影響を統合した強度推定システムのプロトタイプを開発した。ここでは、発熱、熱伝導および水分拡散の3つのモデルを単純に合体させるだけでなく、発熱が水分拡散に影響を及ぼしたり、水分拡散が熱伝導に影響を及ぼす等の相互の緊密な関連を考慮し、さらにそれらが強度に及ぼす影響を精緻に表わすことのできるシステムを構築した。 2)コンクリート試験体中の水分拡散を定量的に把握するための実験 1)のプロトタイプの一部である水分拡散モデルの適合性を検証するため、コンクリート中の水分拡散現象を定量的に把握するための実験を行った。各種形状のコンクリート試験体の所定位置に印加電圧センサーおよびT型熱電対を埋め込み、水分量および温度の経時変化を調べた。平成21年度の実験では一般強度のコンクリートを対象としたが、平成22年度の実験では高強度コンクリートを対象とした。
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