2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560608
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
柳 宇 Tohoku Bunka Gakuen University, 教授 (50370945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 元毅 国立保健医療科学院, 部長 (20356009)
鍵 直樹 国立保健医療科学院, 室長 (20345383)
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Keywords | 建材 / 壁装 / 調湿材 / かび / MVOC / チャンバー試験 |
Research Abstract |
今年度は当初計画の通り,調湿建材を用いたチャンバー実験(基礎実験)を行い,諸条件における調湿建材でのかびの生育状況を定量するとともに,かびの生育過程で放出される揮発性有機化合物質(MVOC)の発生特性について検討を行った。 予備実験と位置づけた今年度の実験では,壁材として使用される調湿建材を用いたほか,それと比較するため、一般家庭で使用されるフローリング材と押入れボード材の計3種類を用いた。これらは建材の品質のばらつきを抑えるため,建材試験センターの協力のもと,建材の養生の過程が明らかなものを使用した。また,住居に使われる建材のため防かび剤が添加されていた。実験では,建材の含水量の調整、かびを発生させることを容易にするため、各建材のサイズを150mm×150mmとし、測定に必要な上面以外はアルミホイルで覆って,断湿処理を施した。試験に一般居住環境に分離される頻度の最も高いCladosporium cladosporioides, Aspergillus niger,およびPenicillium pinophilumを用い,菌液に寒天を含む場合と含まない場合,またチャンバー内の湿度を変えて実験を行った。なお,MVOCの成分分析はGC/MSによった。 上記の予備実験により,調湿建材に抗菌剤、防腐剤を施したものの,建材表面でのかびの増殖や,増殖の過程でMVOCの発生が確認された。また,実験の条件や菌液の塗布方法などについて必要なノウハウを取得し,次年度(平成22年度)の本実験に大いに参考できる資料を得た。
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