2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間的・空間的不均一視野における個人の視能力に配慮した明視性評価システムの開発
Project/Area Number |
21560612
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
井上 容子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (70176452)
|
Keywords | 明視性 / 不均一輝度視や分布 / 眼球内散乱光 / 有彩色光 / 分光分布 / 視力 / 年齢 / ポジションインデックス |
Research Abstract |
設計者や環境管理者が平易に明視性を診断することのできるツールを提供することを目的として、「実効輝度理論を適用し、視野輝度分布とその時間的変化・光源の分光特性・観察者の年齢や視力に配慮した〈明視性評価システム〉の提案」をする。影響要因の関係と重要度を、我々を取り巻く視野の実態に基づいて整理し、これまでに得てきた知見の活用と未検討要因に関する実験を行い、要因間の関係を関数化・標準化し、条件入力から評価出力までの流れを具体的に提案することが最終目標である。 平成22年度は主に、多彩な照明光に対応するために、主波長の異なる色光を用いて光源の分光特性による散乱光量の違いを実験的に調べ以下の成果を得ている。 (1)視野中心での散乱光量と照明光の分光特性(光色)との関係を明らかにするために、赤、緑、青の有彩色光と白色光を用いて輝度差弁別閾値を測定している。被験者は5名である。閾値は青光で高く、赤光で低いが、視対象が大きくなると光色による違いはなくなる。即ち、視野中心に近いほど分光分布(光色)による眼球内散乱光の違いが大きい。赤光は散乱光が小さく、青光は大きい。 (2)視野周辺のグレア源による順応輝度増加量と照明光の分光分布との関係を明らかにするために、赤、緑、青の有彩色光と白色光のグレア源を用いて順応輝度増加量を測定している。被験者は5名である。赤光の方が青光よりも順応輝度の増加は小さい。言い換えると、赤よりも青のグレア源による感度低下の方が大きい。光色による増加量の違いは、グレア源が視野周辺になるほど小さくなる。即ち、視野中心に近いほど分光分布の違いによる眼球内散乱光への影響が大きい。 (3)21年度の視力や年齢の眼球内散乱光への影響、視力と明るさ感との関係の分析結果をまとめ、学会に於いて公表している。
|
Research Products
(8 results)