2011 Fiscal Year Annual Research Report
最適設計を目標とした水道直結給水方式における課題の解法
Project/Area Number |
21560614
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
市川 憲良 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10193434)
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Keywords | 水道直結給水方式 / 瞬時流量 / グンベル分布 / 流量推定式 / 不満流量 / 変動制原単位 / 住戸内配管システム / 水資源賦存量 |
Research Abstract |
平成23年度の計画 最終年度は、軽微な補足実験・シミュレーション、及び報告書作成が中心となるが、当初の目的である以下の4点を中心に報告する。 1)建物内の給水負荷設計に極めて有用な瞬時流量予測の新しい算定方法を提案する。 昨年度までと同様に集合住宅における瞬時流量を中心としたデータ等を分析した。また、新しい切り口として、昨年度と同様に長期期間に一度起きるか否かの豪雨や地震分野で扱われる、「極値理論(グンベル分布)」を適用させ、長期スパンで生じる大きな瞬時流量に対する安全性を加味した算定式を提案した。 2)設計時の環境負荷削減やエネルギー評価に有用となる、直結直圧式における水道本管保有エネルギーの有効性として、建物規模別エネルギー削減量を明らかにする。 昨年度までに行った直結増圧給水方式が採用されている建物のエネルギー削減量などを明らかにする方法として、ポンプ運転状況、電力使用量等の実測やポンプ回転数から、流量推定式を提案した。 3)給水システム評価等に極めて有益となる、各水使用行為の不満流量を明らかにする。 昨年度までに生活の中での各種水使用行為に対して不満を感じる流量を実験的に算出した。また、最も敏感に不満を感じるシャワーに対して最終的な実験室実験を行い、不満流量を明らかにした。 4)最適設計を目標とした水道直結給水方式の性能に要求される諸元を明らかにする。 水道直結給水方式の性能評価に要求される諸元を明らかにし、最適設計に必要な瞬時流量の予測の提案、ライフスタイルを考慮した変動制原単位による給水量の提案、直結増圧給水に対する流量推定の提案、直結直圧給水の住戸内配管システム等を提案した。また、水の有効利用を評価する上で必要な水資源賦存量の新たな算定式を提案した。
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