2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国の熱負荷計算用気象データの品質検証と修正版の開発
Project/Area Number |
21560616
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永村 一雄 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60138972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 憲男 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (80398411)
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Keywords | 建築環境・設備 / 気象データ / 省エネルギー / 気候変動 / 国際貢献 |
Research Abstract |
気象観測要素の測定では、海外協力者である上海・同済大学の譚教授の元で、2009年の秋から観測装置の設定とセンサーのキャリブレーションを行い、2010年初頭から正式に観測を始めることができた。現在、現地対応が必要な保守・点検、すなわち停電時の復旧作業や定期のデータ回収は譚研究室で行っている。 成分比にまつわる日射量の問題は、本研究の骨子となるもので、すでに公開されている既存の標準年気象データで内在する大きな問題点のひとつでもある。中国国内では、気象局からの日射観測情報が十分開示されないため、成分比率の実際のデータが存在しないという経緯がある。既存の標準年気象データの多くは、他要素からの回帰推定で日射量を補充しており、成分比率を検討する以前の品質である。 かりにこれらから成分比を逆推定したところ、6,7月において、論理的にありえないほどの混濁因子を意味する数値が得られ、やはり現在流布している標準年気象データが大きな問題を抱えていることがあらためて示された。 今回、冬季観測を行ったところ、既存のものより低めの成分比が算出されており、熱負荷計算に影響を与える夏季の成分比を正確に算出し、現状の気象データとの乖離を把握後、どう修正していけばより簡易に行えるかを検討する。
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