2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560616
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永村 一雄 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60138972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 憲男 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 特任教授 (80398411)
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Keywords | 建築環境・設備 / 気象データ / 省エネルギー / 気候変動 / 国際貢献 / 放射成分比率 |
Research Abstract |
既存の中国における標準年気象データのうち、CSWDの日射量にかんしては、直達と天空の放射成分比率が、現実の値と大きくずれていることが観測結果より判明した。とくに、夏季の5,6,7月においては、実質的に起こりえない程度の値となっており、これらを用いての熱負荷推定は、あやまった値となる公算が強い。この事実をもとに、日射熱負荷の影響を受けやすいガラス建築を対象に、建物のペリメータ部での熱負荷を計算したところ、上記放射成分比の変動が、熱負荷に10%程度の影響を与えうることをしめした。 つぎに、こうした放射成分比率の誤りを正し、現状の熱負荷推定に利用できるよう、修正版を作成するための簡易修正法を考案した。全体の日射量を保持したまま、井川の天空放射輝度分布の出現頻度表にしたがって、放射成分比をただしく設定し、この比率を全天に乗ずることで、直達と天空に分離する方法である。 最終年度においては、こうした修正案が妥当であるかや、他の気象要素においても、修正を必要とする異常値が存在するのかなどの検証を行う。 なお、中国での電力事情により、しばしばの停電を余儀なくされている。これにより定時連続気象観測を行えない状況も出てきており、次年度以降、より体制を強化した組織づくりであらたに観測網を構築するための模索も必要であろう。
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