2010 Fiscal Year Annual Research Report
周辺死角の克服と犯罪抑止を目的とした低輝度分散型街路照明の研究
Project/Area Number |
21560620
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
小林 茂雄 東京都市大学, 工学部, 准教授 (20262313)
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Keywords | 街路照明 / 死角 / 省エネルギー / 防犯 / 低輝度分散 / 歩行 |
Research Abstract |
国内の4つの地域を対象とし、街路光環境の防犯性について検討した。はじめに、京都府舞鶴市北吸地区において、死角となっている道路周辺の視認性を向上させるとともに、現状よりも消費エネルギーの低い照明計画を提案した。前年度行った実施調査を基にして、街路と周辺の空地、建物ファサードを一体とした照明計画を行った。具体的には北吸地区の街路約1200mの範囲において、死角となりうる20箇所と建物30棟を対象にした。そして現状の光環境と、JISの照度基準を基にした標準的な照明計画と、それぞれ照度レベルと光束量について検討した。さらに街路を歩行中と運転中の動画を作成し、視認性の評価実験を行った。その結果、消費電力は、提案時はJIS基準の約4/5、現状の約1/2と非常に小さくなった。光源から発せられる光束量でも、提案時はJIS基準の約4/5、現状の約1/2となり、消費エネルギーも小さく抑えられることが分かった。また心理評価実験から、提案時の光環境でもJIS基準と同等な視認性や安心感が得られることを把握した。次に、岐阜県白川村平瀬地区において、従来の照明方法とは異なる低輝度分散型の街路照明が設置されたことから、その効果について調査を行った。調査の結果、最低限の視認性と省エネルギー性の効果は確認されたが、路面が暗いことによる不安感などを住民が持っているなどの問題点も指摘された。この他、徳島県徳島市の川沿いの歩道と、東京都町田市原町田の住宅街において、既存の街路灯を消灯し、周辺死角に光源を分散させる照明の社会実験を実施し、住民らのアンケートを取った。その結果を分析中である。
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