2010 Fiscal Year Annual Research Report
郊外住宅地のマネジメント方策に関する研究-米国MSPの発展的活用の可能性と課題-
Project/Area Number |
21560624
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北原 啓司 弘前大学, 教育学部, 教授 (30177860)
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Keywords | 街なか居住 / 郊外住宅地 / メインストリート / 住み替え / 地域マネジメント |
Research Abstract |
本研究は、地方都市において「街なか居住」施策の推進と同時に進行しつつある郊外住宅地の空洞化に対応する政策として、地域マネジメントの視点から、住み替えシステム構築の可能性を探るとともに、単なる居住者数の復活ではなく地域の存在意義を持続させるための活動の必要性を、米国のメインストリート・プログラムの実態調査により解明するものである。平成22年度は、日本版メインストリート・プログラムのモデル地区として、街なか通り再生事業が適用されている大館市御成町地区における実践について、昨年度に引き続き、定点観測的調査を実施した。また先行事例の小田原市銀座通り商店街のプログラムについては、概ね活動が終了した状況で関係者へのヒアリング調査を実施し、我が国におけるメインストリート・プログラムの活用可能性と課題を明らかにすることができた。一方で、地方都市に適応した住み替えモデルの推進のための課題と可能性を明らかにするために、青森市戸山団地および幸畑団地の居住者を対象に、郊外居住者が将来的な居住志向をどう持って、どのような居住観を抱いているのか、住み替えモデルの提案をどのように受け止めるか、持ち家を賃貸に転用させることへの抵抗感等、住み替えモデル推進のためのフィジビリティ・スタディに向けた基本的な知見を調査結果の分析から明らかにすることができた。 また、本研究の最終的な結論につながる調査として、郊外住宅地の持続可能性の向上に向けた公的施策の実態調査として北海道立北方建築総合研究所を対象にヒアリングおよび団地視察を行い、担当者との意見交換を行った。また、昨年調査を実施した盛岡市松園ニュータウンに新たに登場した団地住民自らによるマネジメント組織へのヒアリング調査を実施し、現実的にコミュニティ存続のためのマネジメントのニーズが存在し、またそれを、コミュニティビジネスとして実践していく大きな可能性を明らかにすることができた。
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