2010 Fiscal Year Annual Research Report
介護施設の小規模化に伴う人権を尊重した個別入浴介護を支える環境の検討
Project/Area Number |
21560625
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
齋藤 芳徳 茨城大学, 教育学部, 准教授 (40330641)
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Keywords | 介護浴槽 / 入浴介護環境 / 室温差 / 体温表面温度 / 衣服表面温度 / サーモグラフィー / ユニットケア |
Research Abstract |
本研究は,介護施設における入浴環境の利用実態を把握し,人権を尊重した介護浴槽及び入浴介護環境の必要性を導き出すことが目的である。本年度は,1フロア5ユニットの特別養護老人ホームにおいて,主にサーモグラフィーを用いた入浴介護における温熱環境実態調査(夏季・秋季・冬季の計3回)を実施した。 一般的に個別入浴介護では,介助者が利用者を「居室(LDK)→廊下→脱衣室→浴室→脱衣室→廊下→居室(LDK)」の流れで介護するが,そのプロセスで,以下の温熱環境の実態を捉えた。 ・個別入浴介護空間である居室・廊下・脱衣室・浴室に室温差がみられ,夏季→秋季→冬季の順に室温差が大きくなるとともに,衣服最低温度の上下差も大きくなり,衣服表面温度は,室温に影響を受けていた。 ・一般浴槽(浴室)に比べて特別浴槽(浴室)では,特別浴槽の必要最低空間の大きさが影響して,秋季・冬季に脱衣室との室温差が大きくなっていた。 ・一般浴槽(浴室)はユニット内に設置されているため「居室(LDK)→脱衣室」の流れとなり,室温差の影響が少ないが,特別浴槽(浴室)は1フロア1か所なので,ユニット外からの入浴は「居室(LDK)→廊下→脱衣室」となり,介護動線が長くなるとともに,ガラス張りの廊下との室温差の影響がみられた。 ・入浴介助後の浴室清掃終了時以降,衣服から露出した腕・足の体温表面温度が低下した。 ・介助者の衣服の違い(Tシャツと介護エプロン)によって,平均2度の衣服表面温度差がみられた。
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Research Products
(3 results)