2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護施設の小規模化に伴う人権を尊重した個別入浴介護を支える環境の検討
Project/Area Number |
21560625
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
齋藤 芳徳 茨城大学, 教育学部, 教授 (40330641)
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Keywords | 介護浴槽 / 入浴介護環境 / ユニバーサルデザイン / 体温表面温度 / 衣服表面温度 / 介護空間 |
Research Abstract |
本年度は,平成21~22年度の研究成果の総括に加えて,利用者と介護者の精神的ストレス度・肉体的疲労度を軽減するために必要な介護入浴環境の条件を探る基礎的実験を行った。 1.研究成果の総括 1)研究目的:介護施設の入浴環境において,人権を尊重した個別入浴介護の必要性と安全で快適な介護環境の条件を導き出すことである。 2)研究成果:多様なハード(介護空間・介護浴槽)とソフト(個別入浴介護)を導入した特別養護老人ホームでの実証的な調査結果の総括は,以下のとおりである。 ・人権を尊重した個別入浴介護を支える環境の6つのポイント (1)少人数化:個別入浴介護の導入により,利用者に関わる介護者数が6人から2人に減少した (2)プライバシーの確保:浴槽と脱衣所を1:1にすることで,複数の介護者と半裸の利用者の動線の交錯などが解消され,プライバシーの確保につながった (3)介護者の負担緩和:利用者も介護者も心身状況は日々変化するため,必要なときにリフト(機械)を利用することで介護者と利用者ともに身心的負担が緩和された (4)ユニバーサルデザイン:1台で多様な利用者が入浴できる浴槽が,省スペース化・省コスト化につながった(5)ユーザビリティ(使い勝手):馴染みのある浴槽形状は,利用者の残存能力を引き出すことにつながった (6)事故防止:広すぎる浴室は,冬季の利用者のヒートショックの問題を抱えていた。また,介護者の体温表面温度や衣服表面温度差の低下(風邪の一要因)につながっていた 2.利用者と介護者の精神的ストレス度・肉体的疲労度の準備調査 ・上記の物理的な入浴介護環境研究を進める中で,利用者と介護者の精神的ストレス度・肉体的疲労度を軽減する必要性を感じたため,学生を被験者にして,自律神経バランス分析測定機器を用いて,精神的ストレス度・肉体的疲労度の測定に関する研究準備を進めた。
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Research Products
(2 results)