2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト定住化社会における時空を超えたアクティビティの流動化実態に関する実証的研究
Project/Area Number |
21560626
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡辺 俊 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60212320)
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Keywords | ポスト定住化 / ワークプレース / 地理情報システム / 時空間分析 / 双曲的距離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、建築・都市空間における我々の行為が、ユビキタス社会の進展により如何に革新されつつあるのかについての基礎的な知見を得ることである。具体的には、執務行為の空間・時間的な流動化の現状を、裁量労働制を採用している法人組織のメールサーバーのアクセスログの分析から明らかにすることである。本年度は、昨年度の結果を踏まえ、アクセスログの詳細分析、およびWeb上のデータベースサービスと地理情報システムの活用を通じて、就労スタイルごとの時間分布・空間分布を明らかにするとともに、就業者ごとに執務行為の流動化の度合いを計測・比較可能な指標を提示した。 まず、4種類の就労スタイル別に電子メールのアクセスログを再集計し、執務行為の時間分布について流動化の視点から特徴を明らかにした。次に、オフィス外部のワークプレースについて、アクセスログに記録されたIPアドレスから経度・緯度を特定し、GISを利用して空間的な分布状況の正距方位図を作成した。その過程で、先の論文では見過ごされていた海外からのアクセスによる時差の影響について考慮する必要性も明らかになった。これは、如何に執務行為が時空を超えて流動化しているかの裏付けでもある。さらに、オフィスからワークプレースまでの距離と其処での執務量を時空間分布図にプロットし、それらの関係性を分析した。以上より、正距方位図を双曲平面に置き換えることで距離を正規化し、執務行為の流動化指標を定式化した。これは、ポスト定住化社会における居方の概念である「プレゼンス領域」にディメンジョンを与える試みとなる。
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Research Products
(3 results)