2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市・建築空間における障害付きp-センター問題に関する研究
Project/Area Number |
21560633
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 公太郎 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20262123)
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Keywords | 多点ウェーバー問題 / 障害付きボロノイ図 / ドローネ網 / 迂回距離 / 最短経路距離 / ダイクストラ法 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の障害付きp-センター問題を解くアルゴリズムを用いて、大学キャンパス(東京大学駒場IIキャンパス)におけるAEDの最適配置問題をケーススタディとして、検討している。 AEDの台数を供給点として、この変化に応じて、キャンパス内におけるAEDまでの障害付き距離の平均値を目的函数として、これに対応する生存成功率がどのように変化するかを調べている。100,000点のrDn上に、ランダムな初期条件で、1台から10台までの供給点を与え、多点ウェーバー問題の近似解を求めている。実験の結果、現状のAED配置による5台のAEDによる平均距離72mという値なら、このアルゴリズムによる3台のAEDの最適配置により実現できることが明らかになっている。 供給点数を増すと、距離の平均値、最大値共に、徐々に減少するのは明らかで、その減少の幅も徐々に小さくなる。一つの施設に割り当てられる需要点数は、施設数を増せばそれに反比例して減少するので、各施設に割り当てられた領域の面積と需要点の総数が一定で、局所最適解ではおよそ一様に供給点が配置されるとすれば、障害物の有無に関わらず、目的函数(平均距離)の2乗は、ひとつのボロノイ領域の面積におよそ比例すると考えられる。そこで、供給点の数と平均距離の関係を回帰分析し、障害物が配置された状況においても、このアルゴリズムで求めた最適配置において、供給点密度と平均距離にこの関係が成立することを明らかにしている。さらに、障害物が配置されていない場合の最適配置の結果と障害物が配置された場合と比較し、障害物による効果を明らかにしている。また、ヒューリスティックの安定性を確認するため、初期値を変化させて、求めた解を比較し、安定した結果を導き出すことを確認している。
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Research Products
(2 results)