2009 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域における雪対策の環境負荷削減を目指した建築物の配置計画に関する研究
Project/Area Number |
21560644
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
苫米地 司 Hokkaido Institute of Technology, 空間創造学部, 教授 (40102785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚弘 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (80337013)
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Keywords | 積雪寒冷地域 / 雪処理軽減 / 建築配置計画 / 除排雪量 / 環境負荷削減 |
Research Abstract |
本研究では,毎年発生する「冬期間における建築施設の機能維持に関わる除排雪量」を軽減するための基礎資料を得ることが目的である。平成21年度は,積雪状態と機械力による除雪状況(5分毎)を把握するため、札幌市内に建つ5000m^2以上の2つの大規模建築物(A施設とB施設)を対象に,施設屋上にタイムラップスビデオを用いた調査を行った(平成21年12月1日~平成22年3月15日)。「大規模建築物における機械力に依存した除排雪の現状」についての観測結果は、下記のようである。 A施設はショベルローダーとグレーダーを計4台駐車場内に常駐させていた。B施設は2台のショベルローダーを別の施設に常駐させていた。除排雪状況は,A施設は4台の重機により一斉に除雪を行い,駐車場端に雪を堆積させ,後日ダンプによる排雪を行う方法であった。B施設は2台の重機により除雪を行い,駐車場中心に排雪用のダンプを待機させ,常に排雪を行う方法であった。これらの結果から,A施設は重機を常駐させるスペースと雪を堆積させるスペースを確保していることから,敷地内での雪処理が可能と考える。しかし,B施設は営業収益の関係から,夏期と同じ状況に確保しなければならないため,敷地外へ雪を搬出しなくてはならない状況にあった。また,駐車場利用時間の関係から,除雪時間は異なりA施設は8~23時,B施設は23~翌8時に実施していた。これは,駐車場の利用時間を避けていることが主な原因であるが,いまひとつは除雪に対する仕組み(請負)による違いも含んでいると考える。 (現在,1日単位の除排雪量と降雪量の関係は,タイムラップスビデオに収録した映像を画像処理して分析中である) 今後は平成21年度の補充実験として,吹雪風洞実験を行いその結果を基に,雪処理に配慮した建築施設計画で削減可能な除排雪量に関するシミュレーションを行う予定である。
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