2011 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域における雪対策の環境負荷削減を目指した建築物の配置計画に関する研究
Project/Area Number |
21560644
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
苫米地 司 北海道工業大学, 空間創造学部, 学長 (40102785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚弘 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (80337013)
千葉 隆弘 北海道工業大学, 空間創造学部, 准教授 (40423983)
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Keywords | 積雪寒冷地域 / 雪処理軽減 / 建築配置計画 / 除排雪量 / 環境負荷削減 |
Research Abstract |
本研究では、毎年発生する「冬期間における建築施設の機能維持に関わる除排雪量」を軽減するための基礎資料を得ることが目的である。平成23年度は、札幌市内に建つ5000m^2以上の2つの大規模建築物の(A施設とB施設)を対象に、(1)一つ目は平成21年度と平成22年度の実態調査(タイムラップスビデオを用いた雪堆積形成と除排雪量の調査)から、「降雪と日射による積雪深の変動」と「除排雪作業」から大規模建築物の駐車場における除排雪軽減のための除排雪計画と建物配置計画を除排雪のコスト削減の配置計画の検討をおこなった。(2)二つ目は、その2つの大規模建築物の配置とその周辺に形成される吹きだまり性状との関係について把握した。 (1)については、それぞれA施設及びB施設とも除排雪コストを削減することが可能であることが明らかとなった。それぞれの施設のコストを算出すると、A施設の場合は嬢物の配置豪更を行わなかったのでコストに変化はない(527,000円)。B施設の場合は、291,500円となり、配置変更を行ったので日射からの融雪により、除排雪のコストが削減可能となった。それぞれ除雪コストがA施設で99,000円、B施設で157,000円も削減可能となり、大幅な除排雪削減に繋がると考える。 (2)の吹雪風洞実験では、風向を変化させ,建築物の平面形状と風向との関係が吹きだまり性状に及ぼす影響を検討した。札幌市場における冬期の主風向は北西,西区の大型店舗における冬期の主風向は西北西であった。これらの主風向の基準(0°)とし,22.5°,45°に風向を変化させて実験を行った。実験風速は5m/sとし,実験時間は60分とした。実験の結果,いずれの箇所においても,建築物の風下側に大きな吹きだまりが形成され,風向の影響は小さい状況であった。このように,建築面積の大きい場合は,建築物の風下側に形成される吹きだまりに計画上の配慮が必要となる。
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