2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア地域における都市環境のバリアフリー化の特色と日本型技術の導入に関する研究
Project/Area Number |
21560649
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 儀平 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60058162)
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Keywords | 東アジア / 韓国 / バリアフリー / 市民運動 / バリアフリー法制度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国、韓国をはじめとする東アジア地域における都市環境のバリアフリー技術の到達点を明らかにし、各国・各都市の風土、文化、都市環境の特性、生活変化を踏まえたバリアフリー沿革の特色を検証し、日本型バリアフリー技術の導入の可能性について考察することである。 平成23年度は、5月末に日本福祉のまちづくり学会全国大会での発表原稿を作成した。この論文では主に、中国と韓国のバリアフリー化の沿革を取りまとめたが、特に22年12月に実施した韓国ソウルでの実態調査を考察した。結果韓国では障がいのある市民によるバリアフリー化の運動が法制度を動かしていること、バリアフリー化の進展は、日本の影響を受けつつ急速に発展していることが明確となった。その後6月には北京市での現地調査を短期間実施した。ここでは高齢化とバリアフリー化の関係や観光施設のバリアフリー化の実態を把握した。居住系の施設、特に集合住宅ではエレベーターの設置、トイレや浴室(シャワー室)関係のバリアフリー化が課題である。一方で社区(近隣コミュニティ)での居住サービス体制が整いつつあることも判明した。8月末には香港で短期間の都市環境と公的住宅のバリアフリー現地調査を実施した。香港は、中国本土や韓国に比較して住宅面での対応は進んでいる。これらは過去英国支配の影響下も認められるところである。しかし住宅の密集度は高く、中国本土からの流入人口も少なくなく、都市環境バリアフリー整備とともに今後課題となろう。法制度は順次進展している。本研究の目的でもある日本型技術の導入は、韓国で根強く、中国や香港各地では異なる動きがみられる。しかし公共トイレやサインなど今後共通化の可能性も高い。尚、補助金の使途の内特に海外調査は科研費を使用することなく実施できたので交付申請時と異なる。
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