2009 Fiscal Year Annual Research Report
団地建替えに伴う団地資源の継承と周辺居住地再生の総合的研究
Project/Area Number |
21560650
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸長 浩司 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (10184706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 部・工学(系)研究科, 講師 (80322098)
藤沢 直樹 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (10409071)
|
Keywords | 団地建替え / 住民参加 / 居住地再生 / コミュニティカフェ / 社会的実験研究 |
Research Abstract |
神奈川県茅ケ崎市に位置するH団地を事例地とし,2006年より実施している団地自治会,行政,都市再生機構,周辺地域住民によるワークショップ形式での建替え計画検討に加え,団地住民及び周辺地域住民を対象としたアンケート調査,団地住民との先進事例視察等を実施し,平成21年度成果として以下を明らかとした。 (1)団地資源の継承課題:(1)毎月のペースで実施したWSの中で,住民がコミュニティの拠所としてきた次世代の消失によりコミュニティとしての具体的長期ビジョンを描ききれないことが明らかになった。(2)(1)に対する一つの回答を得るべく海外視察・資料収集を実施し,次年度以降のWS資料を得た。(3)URひばりが丘団地への団地住民視察を行い,団地再生の側面を学びつつ,継承にむけての課題を得る機会とした。 (2)周辺居住地を含む団地・地域の再生課題と展望:(1)団地居住者を対象に戻り入居後の新しい暮らしや地域生活に対する期待・不安といった意識や心構え等の現状把握を目的としたアンケートを実施,その結果居住年数が長いほど新生活に早く慣れたいと前向きに捉えている傾向が確認され,具体的な情報が用意されることで、居住者の意識はより明確になる事が分かった。一方で「自宅への閉じこもり」への不安高まりの傾向が高齢層に多く見られた。以上から,建替え事業を円滑に進めていく工夫として、ハード面の情報だけでなく、地域住民との交流も含めたソフト面の情報を事前に共有していくことが重要であると指摘した。 (3)コミュニティの再編成:(1)建替え第一期工区の中央広場に面した中央住棟1階にWSの成果として小集会所が計画され、その間取りや管理運営方式の検討を通じながら,戻り入居者及び新規住民によるコミュニティ再編の可能性の糸口を探った。新たな集会所のコミュニティカフェ,周辺のクラインガルテン的利用が提案され,その管理運営主体となりうる人材発掘のための住民アンケート調査を実施した結果,今後のコミュニティ形成を担う,約140名の潜在的人材を発掘することができた。 以上のほか,市主催のH地区まちづくり協議会に参加し、周辺住民との交流を図り、また、周辺の地域住民に対するアンケート調査結果を2009年度日本建築学会大会(東北)にて発表した。
|
Research Products
(2 results)