2011 Fiscal Year Annual Research Report
団地建替えに伴う団地資源の継承と周辺居住地再生の総合的研究
Project/Area Number |
21560650
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
糸長 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10184706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (80322098)
藤沢 直樹 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (10409071)
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Keywords | 団地建替え / 住民参画 / 居住地再生 / コミュニティカフェ / コミュニティガーデン / 社会実験研究 / 福祉と防災 / 地域防災 |
Research Abstract |
最終年度で団地再生に伴うコミュニティ再編のための社会実験的研究の成果が出た。また、防災拠点的役割を団地再生の中で見いだすことの意義を明確にした。以下は概要である。 1.浜見平団地の建てかえに伴うコミュニティの再編成及び地域防災拠点としての意義 (1)URと自治会との契約手続きを支援し2011年度から供用開始された新規住棟内設置の集会施設とその前庭で,コミュニティカフェ及びコミュニティガーデンの運営を通じて,既存住棟と新規住棟の住民を対象としたコミュニティ再編成を社会実験的に取り組んだ。参加者に配布した92枚の会員カードの属性分析から,60歳以上が88%,女性が83%を占めた。また,既存住棟と新規住棟での参加をみると既存42%,新規47%であった。物理的建替えで生じたコミュニティの改変とその再生にコミュニティカフェは有効な手段でコミュニティの再編生の可能性を示唆した。 (2)団地の夏祭りに参加した団地住民及び周辺住民に津波襲来時の避難場所を問うアンケート調査を実施し回答者数168人中,団地住民が54人,周辺地域住民からは114人の回答を得た。団地住民が住棟の上層階への避難意識を有していたが,周辺住民の特に低年齢層は,広域避難場所に指定される海辺の小学校等への避難を示し,中高層住棟群の当該団地の地域防災拠点としての意義、及び周辺地域住民とともに検討することが必須であることを指摘した。 2.郊外団地での自主防災活動の評価 神奈川県内の1000戸以上の団地自治会(5箇所)への詳細なヒアリングを実施した。小中学校等の拠点防災訓練等での周辺自治会との繋がりは見られるものの、団地内オープンスペースでの合同訓練等はどこも行われていなかった。一時避難の場所とはいえ、地域防災の観点からは普段から地域連携により意識的に取り組むことが必要である。建て替えを期に自治会活動が下火になるという意見も多く聞かれ、コミュニティ継承上の課題も同時に指摘された。
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Research Products
(3 results)