2011 Fiscal Year Annual Research Report
公共空間の保全状況を良好に保持する手法に関する研究
Project/Area Number |
21560651
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
曽根 陽子 日本大学, 生産工学部, 研究員 (90171389)
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Keywords | 公共施設 / 保全状況 / 公園 / 公園トイレ / 住民参加 |
Research Abstract |
平成23年度の研究成果を以下に報告する。 1)横浜市金沢区の公園管理のしくみを明らかにした。 横浜市には人的支援である「愛護会コーディネータ制度」があるが、金沢区ではそれをさらに発展させ、行政と住民が連携できるシステムを作り上げている。具体的には、愛護会活動者から選出された「緑の環境リーダー」が公園の管理に積極的に携わり、声掛けによって集まった住民ボランティア「フラワーサボーター」が公園花壇の育成係を担っている。 2)横浜市金沢区公園愛護会関連活動への参加型調査を行った。 月1回の頻度で開かれる「環境リーダー会」では行政側と住民側の意見交換や情報交換が行われている。年に1回開かれるお祭り「いきいきフェスタ」は愛護会普及を愛護会活動の活性化に役立っている。行政の技術支援以外とは別に開催される環境リーダーによる講習会は、行政職員から愛護会会員さらには住民までが参加し、全体を繋げる役割を担っている。さらに土木事務所に整備されたフラワーセンターは住民が気軽に立ち寄れる「場」となっており、住民と行政の交流を自然に促している。 3)施設管理・運営委託や、公園トイレの管理運営の先行事例について鹿児島市と広島市で追加調査を行った。 4)平成21年度からの研究のまとめを雑誌論文へ投稿した。 金沢区の公園管理のしくみを明らかにすることで、"役職を設けること"がボランティアのやる気と責任感を促していることが分かった。さらに事前講習を受けた愛護会会員がその他の会員を指揮することや、公園愛護会と関係のない住民を巻き込むことで公園管理への関心を高めていた。さらに、住民が行政に関わりやすい「場」を作ることも大切である。以上より、公園管理の活性化には、行政と住民をつなぐシステムが重要であることが分かった。
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Research Products
(3 results)