2010 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度語に着目した景観法制定前後の景観形成基準の変化に関する分析
Project/Area Number |
21560658
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
日高 圭一郎 九州産業大学, 工学部, 教授 (80320141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 三平 九州産業大学, 工学部, 教授 (50230420)
片岡 寛之 北九州市立大学, 都市政策研究所, 准教授 (00438300)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 都市整備 / 景観・環境計画 / テキストマイニング / 形態素解析 |
Research Abstract |
平成22年度には,北九州市が法定景観計画で指定している7つの「景観重点整備地区」の「建築物等の形態意匠に関する行為の制限に関する事項」(以下,新基準)を対象として,景観法制定前後の変化について分析を進めた.この7地区は,法定景観計画策定前には,北九州市都市景観条例に基づき「都市景観整備地区」に指定されており,自主条例に基づく景観形成基準が定められていた(似下,旧基準).この旧基準は法定景観計画の策定にあたり,現在,適用されている新基準に見直しが行われている.見直しが行われたのは景観形成基準文のみであり,基準を適用する地区範囲などの見直しは行われていない.この7地区の景観形成基準について新旧対照表を作成し,その変化について分析を行った結果,「敷地」「用途」に関する景観形成基準が新基準では多く削除されていることが分かった.さらに,北九州市の景観計画を所管している北九州市建築都市局計画部都市計画課に対してのヒアリングの結果,自主条例に基づく強制力の弱い景観形成基準から法に基づく強制力の強い景観形成基準になったことを背景に,事前協議における助言・指導の幅を確保するために,基準内容の緩和や,基準文の表現を柔軟なものに変更するなどを景観形成基準の見直しの方針としたことがわかった.特に「敷地」「用途」に関する基準は,敷地利用や建築計画に影響を与える可能性があり,景観形成基準に適合させることによって,建築主に経済的負担が発生することなどが予想される.そのため,厳格に基準を適用することが困難になる場合も想定される.このことを背景に「敷地」「用途」に関する基準が多く削除されているものと推察した.
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