2009 Fiscal Year Annual Research Report
宿泊を伴う小規模福祉施設における建物の安全性に関する研究
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21560661
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
井上 由起子 National Institute of Public Health, 施設科学部, 施設環境評価室長 (40370952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 敏 東北工業大学, 工学部, 准教授 (90337197)
岩尾 貢 金城大学, 短期大学部, 非常勤講師 (00440884)
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Keywords | グループホーム / 小規模多機能 / 消防法 / 建築基準法 / 防火性能 / 耐震性能 |
Research Abstract |
近年、高齢者施設では家庭的な環境が重要視され、居住性が確保されつつあるが、一方で小規模福祉施設を中心にその安全性については十分な対策がとられてこなかった。それゆえ、2006年1月に長崎県にて認知症高齢者グループホーム火災が発生し多くの入居者が亡くなるなどの惨事が後を絶たない。これらの火災を受け、2009年4月から消防法が改正され、スプリンクラーの設置要件が強化されるとともに、各種消防設備や防火管理体制の強化が義務づけられた。同様に、民家転用型の小規模福祉施設を中心に、建築基準法上、既存不適格と推測される事例が多数存在しており、その耐震性や防火性に課題が散見される。 これらの問題意識を背景に、平成21年度の全国の認知症高齢者グループホームならびに小規模多機能型居宅介護に対する実態把握アンケート調査を事業者団体の協力を得て実施した。配布数は12,413票(悉皆)で回答率は認知症高齢者GHが30.3%、小規模多機能が38.9%であった。得られた結論は以下の通り。認知症高齢者GHについて記載する。 ・275m^2未満のGHは全体の21.1%であった。 ・夜勤体制は一人夜勤が49.8%と全体の半数を占め、夜間の安全性確保が人員体制上手薄となっている。 ・新築型は83.8%だが転用型が16.2%。後者のうち確認申請を行っていない・不明が40%弱あった。 ・避難訓練は多くの施設が行っていたが、地域住民の参加、地域の消防訓練への参加は低調であった。 ・スプリンクラーは平成21年9月現在で21.2%であった。平成23年度末までに275m^2以下は設置が義務づけられ、補助金制度もあるため、275m^2以上のGHは設置がなされるものと推察される。275m^2以下のGHに限った設置率は、平成21年9月現在で11.3%であった。
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Research Products
(1 results)